先週末の静岡県の大雨により被災した黄瀬川大橋(静岡県沼津市、旧国道1号)を教員1+学生2で視察しました。東大地盤研で数年前から研究を始めた「河川橋りょう基礎の洗掘」による被災ですが、なぜ今回被災したのか(既往最大水位ではない)、なぜ右岸側に傾いたのか、原因究明は容易ではありません。いろいろ推測はできますが。
黄瀬川では過去に何度も氾濫が起きたようで、今回この黄瀬川大橋から上流1km程度視察したところ、広範囲で護岸整備・かさ上げ等の河川改修が行われていました(比較的新しい施工)。さらに、この黄瀬川大橋自身も6~7年前に耐震補強がなされていたようですが、残念ながら今回被災してしまいました。
おそらく復旧に1年はかかるでしょうし、地元のタクシー運転手も「この橋が使えないのは本当に不便」と嘆いていたように非常に残念な被災でしたが、もし上流側の護岸整備がなされていなければ、今回の記録的豪雨で住宅地等の広範囲でもっとひどい水害が生じていたかもしれません。
河川橋りょう基礎周辺の洗掘リスク評価の難しさを改めて感じると共に、河川改修事業の難しさ(=常に弱点箇所が狙われる、地震被害も同じですが)も感じた出張となりました。
(注:河川を横断する道路橋りょう・鉄道橋りょうの改修・補強は河川改修事業とは全く別ですが)。
Assoc.Prof Watanabe, Mr. Takesaki (M1) and Mr.Nishio (B4) visited the Kise River Bridge (Numazu City, Shizuoka Prefecture), which was damaged by heavy rains in Shizuoka Prefecture last weekend. The damage was caused by “local scour” of river bridge foundations, which the Geotechnical Engineering Laboratory of the University of Tokyo started the basic research a few years ago. It is not easy to explain why the bridge was damaged this time (the water level was not the highest it has ever been) and why it tilted toward the right bank.